2017 / 07
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-その7-【一人ぼっちのあの頃 】


そう叫んだ僕の方を見て目をまん丸にする二人。

「そんなに空腹なのか?」

ぐぅ~~~~。狙ったかの様に音を立てて鳴るお腹の虫。

「ち、違うの!これはその……いや、違くは無いんだけどその……」

「あの~~ミクちゃん。私達これからお食事に行くんだけど良かったらミクちゃんもどう?」

「え……でも……」

「何を遠慮しているんだミク?いつもならこういう話題には自分から喰い付いてくるじゃないか。もしかしてお金の事を気にしているのか??それなら心配する必要は無いぞ。多少なら持ち合わせにも余裕があるからな」

「いや!そうじゃなくてですねエヘへ……」

我ながら気持ち悪い笑みを浮かべてその場を濁そうとする僕。こんな事をしている間におにぎりとの距離はドンドン開き捜索は難航してしまう。

「ミク、何か後ろめたい事でもあるのか?それとも悩み事か?なら何故私に相談しない。これでも私は学校で副生徒会長の役職にも付いている……それでもまだミクの中で私は信頼するに価しないというのか?」

何だこれ?どういう展開なの??えと、ハク姉は何故悲しそうな顔を僕に向けているの?


 繁華街から少し離れたファミレスの中インターホンが鳴り響く。その店内に抵抗虚しく、半ば強引に連れて来られた僕。

「あの~ハク姉、僕本当にちょっと急いでるから……」

「ミクはいつも私の顔を見ると、似た様ないい訳で逃げようとするな。私の事が嫌いなのか?」

「いや、だってハク姉いつも僕の顔を見ると怒るじゃない」

「別に怒っている訳じゃない。ただ私は、ミクが心配なんだよ」

「僕はもう子供じゃないんだから、そんなの余計なお節介だよ!」

「ハァ……ミクこそ私と話をするといつも喧嘩腰じゃないか?」

「それは、ハク姉がいつまでも僕の事を子ども扱いするからで……」

「あ、あのぉ~……取りあえず何か注文しませんか?」

張り詰めた空気を和ませるようと、困り顔で微笑むネル。小柄な身体を更に縮ませて小首を傾げるその姿は、まるで小動物にも似た愛らしさを放っている。

「そうだな。空腹は思考を低下させる……っと同時に物事の判断力を鈍らせる。その性で少し感情的になっていたのかもしれないな。話はゆっくりと食事の後にでもしようか」

「だぁ~か~ら~~~!!!」

「まぁまぁミクちゃん、ほらメニュー表!どれ頼もっか??」

「むぅ~~」

悔しいけど空腹が後押ししてメニュー表に釘付けになる僕。

「でもハク先輩。小さい頃から一緒にいた幼馴染っていっても、少しミクちゃんに過保護過ぎじゃないですか?ミクちゃんだってその、もぅ高校生なんだし……あ!?べ、別に羨ましいとかそそそんなんじゃなくてですね、私はただ!!」

顔を蒸気させ、慌てて弁解の言葉を振るうネルちんのたどたどしさが、とても愛らしい。

「そうだな。そうかもしれないな。私はまだあの時の事を引きずっているのかもな……」

「あの時のこと?」

「あ、いやなんでもないよ。しかし」

ハク姉はまた神妙な顔をして僕を見つめる。

「ミク、いい加減カイト先輩の事は吹っ切れたんだろ?そろそろ昔の様に落ち着いたらどうだ?」

「ハク姉、またその話。もぅいいよ、僕もぅ先輩のことも音楽のことも全部吹っ切れたんだから。だから……その話はやめてよ」

「ミクちゃん……」

ハク姉はきっと僕がまだあの時の事を引きずってるから落ち着かないとか、気を張り詰めてると思っているんだ。そんな僕のことをほっとけなくて、心配の種を自分で増やしているに決まってる。でも違う!そうじゃないのに。


【バックナンバー】

その1 『ボクは風になりたい!!』

その2 『おにぎりの逃避行 ①』

その3 『おにぎりの逃避行 ②』

その4 『おにぎりの逃避行 ③』

その5 『おにぎりの逃避行 ④』

その6 『一人ぼっちのあの頃 ①』


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-その6-【一人ぼっちのあの頃 ①】


街のある一角で空腹の中 おにぎりを求めて走る僕。
何処か滑稽に見えるこの状況。

「コラ――――!!待てぇ――――――!!!??」

その時、後ろから僕を呼び止める声がした。

「おいミク!!」

「うわっ!と、と、と!?って、ゲッ!ハク姉!!??」

「ゲッ!っとは何だゲッ!とは。全く学校の外でも騒がしいなお前は」

そういって片手を腰に眼鏡をクイッと持ち上げ 表情を強張らせるこの人は1つ年上で幼馴染のハク姉 事、弱音 ハク。

「ハク姉……どうしてここに??」

「どうしても何も今日は所用でたまたまここを通りかかったんだが……」

ハァ――っと溜息混じりに

「ミク、何を叫んでいたかは知らないが少しはお淑やかに出来ないのか?
お前は女の子だろう……全く」

――っと僕を見て嗜める

「べ、別にそんな事 僕の勝手でしょ!!ハク姉には関係ないじゃん!」

「関係ない事はないだろう?私はミクの姉代わりとしてだな……」

「頼んでない!頼んでないよそんな事!!」

ハク姉はやれやれといった感じで首を横に振る。

こうやっていつも僕を子供扱いするんだハク姉は。本人は僕の事を思ってと言っているけどそんなの有難迷惑だよ。そうこうしているとハク姉の影越しから1人の少女が申し訳なさそうにピョコンと顔を覗かせた。

「あ、あのぉ~~……ミクちゃん、こんにちは。あれ?夕方ってこんばんはになるのかな??エヘへ」

僕とは丸っきり正反対のホワンとしたその口調。サイドテールに髪を束ねるクラスメイトの女の子 事、亞北 ネル。

「あれ、ネルちん?何、四天王??」

「四天王って?ミクちゃん何それ?うふふ♪」

くぅ~~!!そのあどけない表情は女の子の僕から見ても ものっそい可愛らしく映る。もぅ本当おっ持ち帰りぃ~~☆したい!

「それよりミクの方こそ一体何をしていたんだ?」

「え?何をって……あっ!!おにぎり!!??」

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-その5-【おにぎりの逃避行 ④】

でもお前が追いかける夢は、叶わないものだよ……そぅ言い掛ける間も無く、おにぎりは続けて言った。

「ボクの追い求める夢は叶うよ。絶対に絶対!叶うものなんだ」

「――ふぅ。あのなぁ~おにぎり、絶対の絶対なんてこの世には無いんだぞ。大体どうやって風になるってんだよ!おにぎりが風になれる訳ないじゃん!!」

どう転んでも叶う事の無い夢に、自信満々に「絶対!」っと言い放つのおにぎりの姿。
僕は わからず屋のこいつに、少し感情的になった。おにぎり相手に我ながら情けないけど。

「キミには何か、夢は無いの?」

「はぁ?いまそんな事、関係……」

「キミはボクと違っておにぎりじゃない。やろうと思えば何でも出来る人間なのに、それなのに夢や目標は……無いの?」

「おっ――!お前になんて!言うもんか!!」

おにぎりはニコッと笑い、ゆっくりとした速度でまた、ぴょんぴょんと跳ね進む。

「あっ!?おい、おにぎり!ちょっと待てよ!!待てったら!」

「嫌だよ。だって止まったら、食べられちゃうもん」

そう言ってぴょんぴょんと、夕日の街を突き進む。その姿は、何処か嬉しそうな感じだった。
根拠なんて無いけれど、なんかそんな気がしたんだ。

「ふん!……まぁでもいいぜ。ちょっとだけなら付き合ってやっても。お前が本当に、風になれるのならさ――」

ぐぅ~~~~。そんな事はお構い無しに、泣き叫ぶお腹の虫。
折角のシリアスシーンが台無しだ。その音に反応して、こちらへ振り向くおにぎり。

「女の子なのに、そんな大きなお腹の音鳴らして、恥ずかしいなぁ~~もぅ」

「なっ!!お前のせいだろうが!??っていうかやっぱり、今直ぐ食ってやる!覚悟しろ!!!」

「そんなヘロヘロじゃ、ボクを捕まえらんないよ!あははwww」

「ムキ――――!!??待てゴラァおにぎり――――!!!!!!」

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-その4-【おにぎりの逃避行 ③】

「うぅ~なんで僕がこんな目に……グフェ――」

「それはキミが、ちゃんと信号の確認もしないで渡ろうとするからでしょ!まったく」

「むぐぅ~~……大体!元はと言えばお前が逃げ出したのが悪いんだろ!おにぎりの癖に!!?」

「……だ、だって……」

そういうと、おにぎりは急にしおらしくなり、俯いてしまった。
小柄……っと言うには余りにも小さ過ぎる体を 地面に少し、傾かせながら。

「お、おい!急にどうしたんだよおにぎり!!なんだよ!さっきまでの威勢はどこ行ったんだよ!?」

その一変した態度に戸惑い、ついおにぎりにそんな言葉を投げ掛ける僕。
周りの空気が重くなるのを感じたのだろうか、おにぎりはぽつりと呟いた。

「ボクはね、確かにおにぎりだよ。誰が作ったかもわからないおにぎりだよ。
でもね、そんなボクだけどね……ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、他のおにぎりと違う所があるんだ。なんだか……わかる?」

「え?そりゃお前……喋ったり、ぴょんぴょん跳ねたりとかさ、ちょっとどころか全然違うだろ?
他のおにぎりなんかとは、全くもって全然さ」

「うん。それもあるけど、でもそこじゃないんだ」

「??」

その言葉を皮切りにおにぎりは、小さな小さな瞳を 宝石の様にキラキラと輝かせこう言った。

「風になりたい!その夢を持って生まれてきた事なんだ!!」

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-その3-【おにぎりの逃避行 ②】

――眼前に迫り来る鉄の塊。
僕は凍る様な冷や汗と共に、体中の筋肉が一瞬で収縮し、石の様に硬直したのを感じた。
尚も鳴り響く警告音。車との距離が詰まる。

「あッ――」

もう駄目だ!引かれる!?覚悟を決めたその瞬間。

「ゴフェルビッッシャッッッ――――!!??」

僕の腹部に鉄球の様な「何か」が流星の如く飛び込んで来た。
しかも御丁寧にみぞおちにクリーンヒット。

「ボッハッッッ!!??」

その反動で歩道脇まで体が吹き飛び、なんとか事無きを得る。
鳴り響いていた車のクラクションは、徐々に遠くの方へと消えて行いき、去り際に

「バカヤロ――!!死にてぇーのか!!??」

というおっさんの怒号の様な叫び声が、空を切ったのは言うまでもない。 当然

「ごめんなさい!」

などと思う余裕など微塵も無く 息が出来ずに苦しむ僕。
涙目になりながらも、目の前に突っ込んで来たその凶器を 目一杯の力を振り絞って確認する。

潤んだ瞳の中に映し出された凶器。
そこには何故か、心配そうに僕を見つめ 佇むおにぎりの姿があった。

「コヒュー……コヒュー……」

うずくまりながら必死に呼吸を整える。

「大丈夫……キミ?」

「コヒュー……っていうか、コヒュー……お、おにぎりお前、コヒュー……ぼ、僕を殺す気か!?」

「!? なんだよ!それが命の恩人に対する物言いなの!??」

「クッ……だってお前、みぞおちって……人体の……急所だぞ……」

両手でお腹を押さえ、へ垂れ込みながら 眼球おっぴろげでボタボタと涙を垂れ流す僕。
そんな姿を見て気まずくなったおにぎりの一言。

「正直サーセン」

怒る気も失うせた。

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しるこ汁

Author:しるこ汁
漫画も好きだがエロ関連はもっと大好きアンアアン★

最近はもっぱら妖怪関連にご執心で、日本妖怪の女体化百鬼イラストを一人で黙々と描いてるよ!

全年齢対象を掲げながらも、スナック感覚で繰り出されるフリーダムな下ネタに、訪問者様もうっとりガンギレ(小並感)

どうぞゆっくりしてってね@

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※シモネタ耐性のあるツワモノさん推薦だよ!苦手な方は注意が必要アンらめぇ~★

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